ハウステンボス(長崎県佐世保市)は独自の電子通貨「テンボスコイン(仮称)」を用いた決済システム実証実験を12月中旬より約3か月間、従業員を対象に始めることを公表した。当初は場内の指定の場所で「テンボスコイン」をチャージし、食事や買い物の決済に利用できるほか、将来的には電力小売り事業を展開する「HTBエナジー」などのグループ会社、周辺地域の事業者も「テンボスコイン」に参画できるような計画もしているという。また、「テンボスコイン」は世界初の「金本位制に基づく仮想通貨」とする計画であり、ハウステンボスは既に1トンの金(約50億円相当)を保有している。
こうしたブロックチェーンを用いた「電子地域通貨」は飛騨信用組合の「さるぼぼコイン」や近鉄ホールディングスの「近鉄ハルカスコイン」などが既に実証実験を完了している。これまでの「地域通貨」は印刷代や管理コストの面から定着しにくいのが現状であったが、ブロックチェーン技術の導入によってそうしたコストが消え、また店舗側も専用端末なしでQRコードを店に貼るだけで電子通貨決済を導入することができる。「地域通貨」を普及させるためには店舗側、利用者側の双方が利点を感じる必要があり、それをクリアするための仕組み作りが課題となるだろう.